2019年04月19日
マルイSPAS12トリガ破断 修理方法考察とJBオートウェルドによる補修
トリガ破断のジャンクで七面鳥の手元に来たマルイのスパスですが、補修のJBオートウェルドが硬化するまで修理の方向性の考察のおさらいをして見ようと思います。
まず、そもそものトリガの形状と破断位置ですが、下図のようになります。
写真をトレスしたもので、形状はそれほど正確では無いですが……破断位置はトリガが急に細くなる部分、ダイキャストとはいえ鋳物、曲げ方向の力が作用する部品に、このような鋭角はいかん、いけません。機械屋の常識として、これはダメな設計です。
それを鑑み、部品形状を改修するとなると、こんな感じでしょうか。
中央のように断面積変化を緩やかにするか、右のように垂直の部分を伸ばして断面積を稼ぐのが筋だと思いますが、最低でも、左のように鋭角部分にRを付けるだけでも、かなり違うはずです。
それをふまえた上で、では手元の既に破断したトリガをどう補修するか。
破断面をイモ付けした上で、上下左右の四面をアルミ板で補強した例もWeb上で見ましたが、七面鳥が選択した方法はこちら。
Webで見かける方法は左図、2mmの穴を空けて棒を突っ込み、棒ごと接着する方法。七面鳥はこれを発展させて、下にもう一本棒を生やして、これを補修剤でトリガ下面に一体化させて補強としようという計画です。
これは、PSG-1の首回り補強で使った手と同じです。つまり、破断面の面積、4mm四方16mm2に対し、2mmの棒(大概ネジなので、2mmより実質細い)の面積3.14mm2では、材質の違いはあってもあまりにも曲げに対して心細い。そこで、上下に2本使い、かつ補修剤で一体化する事で、かかる力を曲げではなく、上下の棒それぞれに押し引き方向として作用させ、補修剤込みトータルで受け持つ事で強度を上げようというもくろみです。
単純な曲げだと、2mmの棒なんぞチョロいですが、引っ張りor圧縮となると話は別です。金属の材質にも寄りますが、曲げよりはるかに高い強度を示すはずです。
問題があるとすれば、その補修剤がトリガ自身からはがれないか、なのですが……これはJBオートウェルドの抗張力300kgf/cm2という根性を信じるほかありません。
そのJBオートウェルドを盛った姿がこちら。
これは盛ってから一晩放置後のものです。……ちょっと反ってしまっているか……?実は、後から知ったのですが、JBウェルドは、接着する破断面が密着している状態より、少し空間があって、そこに充填するような形の場合の方がより強い接着力を発揮するのだとか。だとするなら、わずかとは言え反る事で破断面に空間が出来、そこにJBウェルドが充填されているこの状態はむしろ僥倖であったかも……
とりあえず、この状態で完全硬化を待って一度組んでみましょう。少し反ってるのがトリガプルに影響ないか、そもそも補修による突起部分は周りと干渉しないかを確認しないといけないですから。
さて、上手くいったらおなぐさみ、というところですか。
Posted by 二式大型七面鳥 at 23:21│Comments(0)
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